ポカホンタスに命を救われたジョン・スミス 映画にもなった「美談」

ポカホンタスに命を救われたジョン・スミス 映画にもなった「美談」

入植者のリーダー、ジョン・スミスは野蛮なインディアンに捕らえられ、まさに処刑されようとしていた。

このとき飛び出してきて助命を嘆願したのが、インディアンの娘ポカホンタスだった。ポカホンタスはジョン・スミスの命を救い、入植者に農園の運営を教えた。彼女はイギリス人と結婚し、ロンドンに渡った。

以上がアメリカで「ポカホンタスの美談」として語り継がれる物語である。ディズニーの映画にもなっている。

ジョン・スミスとポウハタン族

ジョン・スミスはイギリスからアメリカに渡ってきた植民者のひとりで、ジェームズタウンに住み着いた。まだほとんど何もないアメリカ大陸に渡る者は、ならず者ばかりだった。その証拠に、当時アメリカに渡った者に女や子供はいなかった。彼らはまともに働く気がなかったから、たちまち食糧不足に苦しんだ。

植民者のリーダーになったジョン・スミスは、「野蛮人」から食料を奪い取ることにした。だが、それもうまくはいかなかった。ジェームズタウンは全滅寸前だった。このとき食料を恵んでくれたのが「野蛮人」のポウハタン族だった。

ポウハタン族はたびたび食料を援助してくれたが、ジェームズタウンは常に飢餓に苦しんでいた。入植者たちはポウハタン族を襲撃したり、虐殺したり、脅迫したりして食料を奪い取った。

ジョン・スミスは略奪中にやけどを負い、イギリスへ帰っていった。

アーゴールとポカホンタス

新たにリーダーとなったのはサミュエル・アーゴール。

彼らは略奪を続けたものの、ポウハタン族から警戒されてうまくいかなくなっていた。そこで酋長の娘であるポカホンタスを誘拐し、ポウハタン族に食料と武器を要求した。酋長のワフンセナカウはこの要求を呑んで食料も武器も差し出したが、アーゴールが彼女を返すことはなかった。

ポカホンタスは植民者のジョン・ロルフと結婚した。ポカホンタスは農園経営の才があり、ジョン・ロルフの農園経営は順調に拡大した。ポカホンタスは子供を産み、ロンドンに渡った。

ロンドンで彼女はインディアン・プリンセスとしてもてはやされたが、じきに病気になって死んでしまった。死因は天然痘、結核、毒殺などの説があるが、わかっていない。ジョン・ロルフはポカホンタスが死ぬとジェームズタウンに戻り、すぐに再婚している。

ポカホンタスの美談

ポカホンタスの死後、ジョン・スミスはかつて彼女に救われたという冒頭の話をするようになった。また、その後にインディアンの襲撃をポカホンタスが教えてくれたと話した。

ジョン・スミスは嘘つきで有名だった。また、インディアンのことを「裸の野蛮人」と呼んでいた。

「ポカホンタスの美談」は白人の間で大人気になり、現在も語り継がれアメリカ合衆国の教科書にも載っている。ポウハタン族はこの話を「でたらめな作り話」だとしていて、ディズニーの映画「ポカホンタス」には激怒している。

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