選挙に行くのは義務ではない 自由を制限しようとする人たち

選挙に行くのは義務ではない 自由を制限しようとする人たち

選挙が近づくと「選挙に行くのは義務である」と言い出す人たちがいる。それが公正中立を標榜するテレビ局のアナウンサーであることもある。

しかし、日本という国では選挙に行くことは義務づけられていない。世の中には「テレビで報道されていることはすべて正しい」と思っている人が意外と多いので、こういう誤った言動はよろしくない。しかも、語気を強めて発言している。

義務投票制

選挙に行き、投票するかどうかは個人の自由である。必ず選挙に行き、投票しなければならないのであれば、「投票しない自由」が失われることになる。自由が重んじられる近代社会の思想とは相容れない。

実は義務投票制を採用している国は確かに存在する。

たとえば北朝鮮では、投票は義務である。選挙に行かなければ刑務所にぶち込まれる。だからこそ、投票率はほぼ百パーセントである。投票率の低さを嘆いている人は、北朝鮮の選挙を理想だと思っているのかもしれない。

北朝鮮以外にも義務投票制を採用している国もあるが、一般に理想の国とされるアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、北欧諸国は義務投票制を採用していない。選挙に行くも行かないも自由なのである。

何はともあれ、我が国でも投票は義務ではない。

投票権と選民思想

他にも「投票しなかったのならば、政治に口を出す資格はない」とか、「選挙に行かない人からは投票権を剥奪するべし」とか言う人もいる。

こういう人たちは選民思想の持ち主で、自分の認めない人には政治に参加してほしくないと思っている。あるいは、他人を自分の思いどおりに操れないと気が済まない性格なのだろう。

かつては彼らの望むとおり、選挙に行けるのは選ばれた人だけだった。女性には選挙権が与えられなかったし、男性でも一定額以上の税金を納めていなければ、投票することができなかった時代がある。

さて、仮に「選挙に行くのが義務」であったり、「選挙に行かなければ政治に口を出してはならない」というのであれば、その条件を示さなければならない。

たとえば選挙には行くつもりだったが、交通事故に遭ってしまった場合はどうするのか。緊急の仕事が入ってしまったら。途中でおいしそうな店を見つけてしまって、投票時間を過ぎてしまったら。

交通事故は義務を免除され、仕事も免除され、おいしい店は免除されないのだろうか。それは誰がどのように判断するのだろうか。それはもちろん、「選挙に行くのが義務」と高らかに主張する人が勝手に判断するのだろう。

「選挙は義務」などと偉そうに言っている人は、自分の意見がすべて正しく、民主主義とか自由とかいうものを知らないのだろう。

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