アステカ帝国とトラスカラ王国 モクテスマによる生贄の安定供給体制

アステカ帝国とトラスカラ王国 モクテスマによる生贄の安定供給体制

PCゲーム「Civilization」シリーズに登場するアステカ文明は、きわめて好戦的である。対して関わりがなく、距離が離れていても宣戦布告してくる。

指導者モクテスマはスポーツを楽しむかのように戦争を仕掛けてくると評判だが、彼は本当に戦争を日課にしていた。

アステカの恐ろしき生贄文化

アステカ王国は人間を生贄にする文化があった。首都テノチティトランの中心には立派な宮殿が建設され、そこで盛大な儀式が行われた。神に捧げるのは戦争捕虜の心臓である。

捕虜は大勢の市民が見守る中、一列に並べられ、順番に階段を上らされていく。神官四人が奴隷の手足を押さえつけて、一人が喉を押さえる。もう一人が胸を切り開き、心臓を取り出す。

用が済んだ死体は階段から蹴り落とされた。死体は戦争でその捕虜を捕らえた者へ引き渡され、持ち帰られて食事にされた。

なぜこんな恐ろしいことをするかというと、彼らの神が心臓を欲していたからである。アステカの思想では世界は確実に滅亡に向かっており、神に生贄を捧げることで滅亡までの時間を引き延ばすことができた。

だから、生贄の儀式を欠かすことはできなかった。アステカの中心であるテノチティトランだけでなく、周辺の部族でも行っていた。

モクテスマの生贄の安定供給の仕組み

アステカ王国と敵対する国家として、トラスカラ王国があった。トラスカラはアステカと常に対立して戦争を繰り返していた。アステカの王モクテスマ一世は、トラスカラに対して常に優勢だったが、彼らを滅ぼすことはしなかった。

なぜなら、アステカにとって敵はなくてはならないものだからである。トラスカラを滅ぼしてしまったら、捕虜を得ることができない。そうなると、神に捧げる生贄を安定して得ることができなくなってしまう。

だからこそ、トラスカラは滅ぼされなかった。

スペイン人のコルテスが新大陸にやってきたとき、トラスカラ王国は彼らを歓迎した。憎きアステカ王国を打倒するため、スペイン人の力を借りることにしたのである。

アステカを恨んでいたのはトラスカラだけではなかった。チャルコ族、テパネカ族もコルテスに忠誠を誓い、アステカ打倒に立ち上がった。

コルテスがやってきたときのアステカ王はモクテスマ二世だが、意外にも彼はコルテスたちと戦おうとしなかった。あっさりと捕らえられ、監禁され、殺されてしまった。

アステカ王国を構成していたのはテノチティトラン、テスココ、トラコパンの三国同盟だったが、明らかにテノチティトランが優位にあった。第二の都市テスココはここにきてテノチティトランに反旗を翻し、コルテスに味方した。

こうしてコルテスは孤立したテノチティトランを三か月間包囲し、滅亡させたのだった。

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